SSDには寿命がある? [HDDとSSD(ultrabookの記憶装置)]
SSDには寿命があるというのは本当でしょうか。
・・・・・・
はい、本当です。
USBメモリやSDカードに寿命があり、書込み回数に制限があるという話を
目にしたことがある方もいらっしゃると思います。
SSDも実態はUSBメモリ等と同様のフラッシュメモリであるため、
無制限ににデータの書き換えができるわけではなく、
データの書き換え可能回数に制限があります。
<SSDが電源を切ってもデータを保持することができるわけ>
SSDやUSBメモリは、電源を切ってもデータを保持することができます。
データの登録はメモリのセル内に電子を注入することで実現していますが、
この注入した電子が漏れ出さないように保持することで、
電源を切ってもデータが保持されるようになっています。
セルに注入した電子が漏れ出さないための役割を担っているのが、
シリコンの酸化膜です。この膜が絶縁体の役目を果たして、
消去を明示的に行わない限り、セル内の電子が長期間保存されます。
<SSDの寿命を縮める原因>
この絶縁体の膜は、データの書き込み(電子をセル内に注入する)や
データの消去(電子をセル外に解放する)際に強い負荷がかかるため、
徐々に劣化していきます。
上記のように、繰り返しデータの書き込みや消去を繰り返すことが、
SSDの劣化を速めるのですが、もう一つ、SSD(フラッシュメモリ)の
仕組み上、劣化を速めてしまう要素があります。
それはSSD(フラッシュメモリ)では既存のデータがある場合、
それを上書きできないという仕組みです。
つまり、SSDでは、大きなデータを登録したい場所に既存のデータがある場合、
一旦そのデータを他へ移した上で、既存データを消去し、
そこに新規データを登録する必要があります。
(完全に空いたブロックがないと、データを他へ移す作業が
必要になるため、動作速度の低下を招く原因になる)
そして、データの削除・書込みを行う度に電子を保持する酸化膜が
劣化するので、上記の仕組みにより、さらに劣化を速めてしまうことになります。
また、データを登録するセルが偏ってしまうと、特定のセルだけが早期に
劣化してしまい、他に正常なセルがたくさんあっても、SSDが使えなくなります。
<SSDの寿命への対策>
これを防ぐために、コントローラにて各セルへのデータ書き込み回数を把握し、
書込み回数が均等になるように制御する「ウェアレべリング」という技術も開発されています。
更に、インテルの最新SSDではデータを保存する際に、データを圧縮して書き込むことで、
データ書込み回数を少なくするというSSDも製品化されており、SSDの劣化を防ぐために
各メーカが開発を続けているのです。
これは決して不安をあおるために書いたわけではないので、
SSDを利用することに身構える必要はありません。
あくまでこんな事実があるということを知っていただきたくて、紹介しています。
何年も前からSSDを利用している人はたくさんいますし、
その方々が皆今回の記事の内容のようなことになっているわけでは当然ないのです。
また、別途紹介する予定ですが、SSDの寿命の目安を知る方法や
HDDのデフラグのように、使い込んだSSDを綺麗な状態に戻す方法も存在します。
HDDに寿命があり、いつか壊れてしまうのと同様に、SSDも永遠に使えるわけではなく、
劣化や寿命があることを頭の片隅に置いておいていただければと思います。
参考書籍
『
徹底図解 パソコンが動くしくみ 』
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