【Luvbook X 開発秘話】マウスコンピュータカンファレンス② [マウスコンピュータ(mouse)]
マウスコンピュータカンファレンスにて ultrabook開発の経緯
当日開発担当の方から、マウスコンピュータのultrabook、LuvBook Xの
開発時の経緯やこだわり、苦労した点などを聞くことができました。
開発秘話を生で聞くことができるというのは
このような場に参加しないとできないことなので、
非常に貴重な機会だと感じました。
どういった方が、どういった想いで製品やサービスを作っているのか、
ユーザとしてはなかなか聞く機会ってないなと改めて思います。
ウルトラブック開発のきっかけ
まずマウスコンピュータでは以前からultrabookの構想があったそうです。
なんとそのきっかけは2002年に遡ります。
この年、一部ユーザの間では今だに語り継がれる名機、
VictorのInterLink が発売されます。
しかし、InterLinkのような小型PCは、その小さな本体とは裏腹に
非常に高価なもの(20~30万円)で、一部のコアなユーザを除けば、
一般的なユーザが手を出せる値段ではありませんでした。
InterLink発売後、東芝やNEC、工人舎などからも
800gを切るPCが発売されます。
この後、マウスコンピュータでは2010年にLuvBook Lが、
そして2011年にLuvBook Sが発売されます。
これらはどちらも薄型・軽量のノートPCであり、
現在のultrabookの前段階とも言える、軽量のモバイル
ノートPCをコンセプトとして開発されたものです。
まさにInterlinkにインスパイアされて誕生したモバイルPCですね。
部材メーカへ提案するも・・・、そしてついにInterlが…
しかし、これらのノートPCを開発する際、液晶メーカなどの部材メーカはマウスコンピュータさんの提案に全く耳を貸してくれなかったそうです。
メーカの理解・協力を得られず、薄型のPCを作るのに非常に苦労をしたと。
そしての散々苦労をしてLuvBook Sを発表した頃、
Intelから話があったのが、なんとultrabookの構想。
これを機に液晶メーカは薄くて強い液晶を本気で開発するようになったのだとか。
Intelのultrabook構想の前と後では全然メーカ側の対応が違ったそうです。
それまではどんなにプレゼンしても理解されず、動いてもらえなかったものが、
ultrabookの話があってからは、急に肯定的になって話がすんなり通るように。。
もう少しultrabook構想が早ければ、
LuvBook Sもあんなに苦労することはなかったのに
とおっしゃっていたのが印象的でした。
ついにultrabook開発着手
そして気が付けば、他社が先行してultrabookを発表。
ultrabookを出すからにはマウスコンピュータらしいultrabookを出したい。
しかし価格のインパクトでは海外メーカにはかなわない部分がある。
そしてスペックではCorei7搭載のultrabookが
既にいくつも発表されており、それ以上は出しようがない。
そして、それなら重量だということになったそうです。
1kgを切るultrabookですが、これが本当に難しかったとか。
今度こそ1㎏切ったと思って、
秤に乗せたら1000gを超えている…の繰り返し。
目標達成のためには何かをあきらめなければいけません。
そこでまず削ったのがキーボードバックライト。
ディスプレイの明るさがあれば、
最低限のところはなんとかなる。
これで・・・・・
・・・・・・・・・
・・・15gの削減。
完成までは延々とこんな割り切りと試作、
そして検証の繰り返しだったのでしょう。
なぜこの時期に第2世代CPU(SandyBridge)なのか
ちなみにこの時期になぜ第3世代のCPU(IvyBridge)でなく、
第2世代のCorei CPU(Sandy Bridge)でのultrabookなんでしょうか。
質疑の際に参加者の方からも質問が出ていました。
それはIvyBridgeではやはり、負荷がかかった際の発熱が大きく、
消費電力も大きくなるため、バッテリの持ちが悪くなってしまうとのこと。
裏蓋を開けた状態の中身を見せていただいたのですが、
バッテリが2/3ほどを占めていました。
キーボードの下は前部の2/3ほどがバッテリです。
そして後部1/3ほどが、CPUやUSB端子等がつながった基盤部分と、
ファンなどの排気機構が閉めていました。
バッテリの左右にスピーカーがバッテリと一体化して組み込まれています。
更に、ボディ前部の薄くなった部分を補強する形で(つまりボディの骨組みとして)
バッテリはボディと一体化して組み込まれていました。
次に続く
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